
中日ドラゴンズが優勝すると、中日新聞購読世帯には、このようなクリアファイルが配られていた(実家にあったの最古の優勝は、昭和50年(1982)の優勝時の記事。高木守道氏、近藤貞雄氏などすでに鬼籍に入られた方もいらっしゃる)
さて、昨年(2024)の大谷翔平にとっては、シーズン前に突如として降りかかった「事件」により、いかに彼といえども、その野球人生に暗雲立ち込めると想像するに難くなかった。
大谷翔平「メンタルはプレーに影響しない」
だが、ここでも、大谷翔平は、私の斜め上を行くコメントを発表したのである。
「メンタルがプレーに影響すると思っていない。しっかりとした技術さえあれば、どんなメンタルでも打てると思っている」
引用:中日スポーツ(2024年5月28日 03時27分)
驚きを隠せなかった。なぜなら、安定したメンタルあってこそ、良いパフォーマンスが出せるもの、というのが私の考えであったからだ。
大谷翔平 初のワールドシリーズ制覇
「事件」があろうがなかろうが、シーズンは進む。
ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)は、ナショナルリーグ西部地区で3年連続22回目の地区優勝を果たす。ポストシーズンの地区シリーズ。ダルビッシュ有が所属する(パドレス)と戦い、シリーズ突破。リーグ優勝決定シリーズでは、千賀滉大が所属するメッツと対戦。4年ぶり25回目のリーグ優勝を決める。そして、舞台はワールドシリーズ。相手は最多優勝を誇る名門ニューヨーク・ヤンキース。延長戦にもつれ込むも、フリーマンのサヨナラ満塁弾で逆転し、ついて、ドジャースは、4年ぶり8回目のワールドシリーズ制覇したのだった。
大谷翔平は初のワールドシリーズ制覇。2年連続のMVP。そしてなにより、史上初のシーズン50本塁打、50盗塁の「50-50」という偉業を達成した。
だが、私の頭からはシーズン当初の大谷翔平の先のコメントが離れることはなかった。「本当にそうなのか」と。強がりなど言う男ではないはずだが。
その回答は、落合博満について書かれた書籍『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』に記されていた。そして、ようやく、腑に落ちた。
落合博満と大谷翔平

「心は技術で補える。心が弱いのは、技術が足りないからだ」
引用:『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』/著者:鈴木忠平・文藝春秋
落合博満が、荒木雅博に対して「言い放った」言葉だ。荒木雅博は、同僚の井端弘和(現・侍JAPAN監督)とともに、鉄壁の二遊間コンビを結成し、ファンから「アライバ・コンビ」と呼ばれていた。まさに余人を持ってしてでも代えがたい選手。荒木雅博は「守備者の最も栄誉あるゴールデングラブ賞」を6年連続で受賞しているほどだ。だが、プロ入り直後から16年経っても、自己不信が消えることのない、落合博満いわく「珍しいヤツ」だった。
落合博満の本当の姿



YouTubeの中の、山井大介の言葉が全てを語っている「選手思い。優しい」「優しく息子のような感じで見守ってくれてるなっていうのは感じていました」「報道陣の方は感じないと思います」