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認知行動療法(CBT)保険適用の「光と影」──HSP当事者には“書き方”が気になって仕方がない。

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認知行動療法(CBT)保険適用の「光と影」──HSP当事者には“書き方”が気になって仕方がない。


未来へのバスを待ちながら。
曖昧な制度に揺れながらも、それでも前へ進もうとする人のために——
この改正が、いつか“生きやすさ”へ続く道になりますように。



はじめに:カウンセリングって、どんなイメージ?



「話を聞いてもらう場所」
「気持ちを整理する時間」

多くの人にとって、
そんなイメージではないだろうか。

その中でも、
認知行動療法は、CBT(Cognitive Behavior Therapy)
呼ばれ、考え方のクセや行動パターンを整える
“実践的なアプローチ”として知られている。

そして今、
この認知行動療法(CBT)をめぐる制度が
大きく変わろうとしている。
この記事では、当事者としての経験を交えながら、
制度の“光と影”を、できるだけやさしい言葉で整理してみたい。


今回の制度改定で何が変わったのか


2024年度の診療報酬改定
(実際の保険算定は2026年から開始される)で、
認知行動療法(CBT)領域に大きな変更があった。
ポイントは次の2つ。

① 医師+看護師による認知行動療法(CBT)の要件緩和

これまで義務だった 「毎回5分以上の医師面談」 が廃止。

② 公認心理師による「認知行動療法(CBT)的アプローチ」の新設

厚生労働省の文書では次のように書かれている。

「公認心理師による認知行動療法的アプローチに基づく心理支援」

この文言には、
“治療なのか支援なのか”
はっきりしない曖昧さが見受けられる。

表だけ見ると
「認知行動療法(CBT)が安価に受けられるようになった」
と感じられるかもしれない。

しかし、当事者の安全という視点から見ると、
いくつかの懸念が浮かび上がる。


「曖昧さ」が危険を生む理由


医療に不案内な方には少し分かりにくい部分かもしれないが....

認知行動療法(CBT)は
本来、医療行為としての側面を持つ。

国際基準である
NICEガイドライン(2021) では、
次のように示されている。

認知行動療法(CBT)は、
医師の診断と治療計画に基づき、
訓練を受けた治療者が構造化された形式で実施する。

つまり、認知行動療法(CBT)には
身体症状・薬の影響・自殺リスクなど、
医師が把握すべき領域が前提にある
のだ。

ところが今回新設された
「認知行動療法(CBT)的アプローチ」では、
医師の継続評価が弱まり、
心理士が単独で支援を行うケースが増える可能性がある。

この“境界の曖昧さ”こそ、最も重要な論点だと思う。


医行為と心理支援の違い


医療と心理支援は、本来明確に分かれている。

医師が行うこと(医行為)

  • 診断
  • 治療計画
  • 薬の管理
  • 身体症状のモニタリング
  • リスク評価

心理士が行うこと(心理支援)

  • 心理教育
  • 問題整理
  • 心理的サポート
  • 心理検査
    ※ただし「治療」はできない。

制度の文言が曖昧なまま広がると、
両者の境界がぼやけ、
当事者が“どこまで医療として守られているのか”
分かりにくくなる懸念がある。

これは、当事者の安全に直結する問題だ。


当事者として経験した「危険なCBT」


ぼくは、うつ病以外に、
気管支喘息・IBS(過敏性腸症候群)
仙骨披裂症(先天性の骨格異常)、脳梗塞など、
身体と心が強く結びつくタイプである。

過去に、医師のフォローが弱い支援を受けたとき、
身体症状を十分に考慮することなく進められ、
その結果、気管支喘息の発作が起こり、
呼吸困難が強まった経験がある。

もしあのとき、
医師がしっかり身体症状を確認してくれていたら…。
そう思うと、今でも胸が苦しくなる。

だから、ぼくは、この場で、
制度の曖昧さがもたらすリスクを
“自分の例のひとつ”として提示しておきたい。


制度改定の背景:なぜ曖昧になったのか


この制度の背景には、次のような事情があると考えられる。

  • 医師不足の補填
  • 現場の業務負担軽減
  • コスト削減
  • 公認心理師の活用拡大

こうした“制度上の大人の事情”が複雑に絡むことで、
曖昧な文言が生まれたのかもしれない。

しかし、その影響を最も強く受けるのは、
当事者 だ。

仕方がなかったんだろうけど…。
だからこそ、
当事者の安全を守る視点が必要になる。


当事者が自分を守るためのチェックリスト


苦しさを経験した立場から、
ぼくが最低限必要だと感じるポイントをまとめてみた。

✔ 認知行動療法(CBT)の正式訓練を受けた心理士か

医師との連携が明確か

身体疾患を理解する姿勢があるか

構造化されたセッションか

認知の押しつけや説教がないか

悪化時の安全プランが存在するか

ペースを尊重してくれるか

これらは、命と身体を守るために必要な基準だ。


中庭で、CBTワークに取り組む

結論──ぼくがこれを書いた理由


ぼくは認知行動療法(CBT)を否定したいわけではない。
むしろ、
正しく安全に使われれば、大きな助けになる
ことを知っている。

だからこそ願っているのだ。

喘息発作を見落とすような支援が生まれないように。
良い認知行動療法(CBT)が、
必要な人に安全に届く未来が来るように。

最後に、あなたへひとつだけ問いを置きたい。

支援を受ける前に、
“その心理士はあなたの身体症状を理解する準備ができているだろうか?”

その問いが、あなたの安全の第一歩になる。



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最初はマンガ形式のCBT入門書を手に取ったのですが、そこに書かれていた内容が当時の私には少しつらく、「自分のことを丁寧に見てくれる本がいい」と思うようになりました。 そこで選んだのが、CBTの第一人者・大野裕先生の本でした。優しいのに、軽くない。当事者として安心して読める一冊でした。


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  • この記事を書いた人
藤次郎Tojiro

Tojiro

子どもの頃、家でジャンプが出禁になっても、『銀牙』や藤子作品だけは読み続けていた。その頃の“物語の匂い”が、ぼくの根っこをつくっている。うつとの長い旅を経て、“こころの余白”の大切さを知り、いまはドラマ『相棒』の奥にある気持ちの揺らぎや、痛みのレイヤーをそっと読み解いている。原点の作品を行き来しながら、人が立ち上がっていく物語を、静かに追いかけています。

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